2019.06.09
【メンタルヘルス】視点を切り替えて、気分を切り替え

5月28日朝に川崎市の登戸駅で起きた殺傷事件。通勤で通る駅での凄惨な出来事をTVの画面越しに見ると、まるでドラマや映画の中の風景であるかのように感じられました。その数日後の練馬区での刺殺事件も、父親としての責任感からの犯行だと知ると何とも言えない複雑な気持ちになります。この事件をみて感じるのは、他人ごとではないということ。私たちも事件の当事者にも被害者にもなりうる社会で生きているのです。衣食住が満ち足りていても必ずしも幸せではない。精神的な豊かさも(むしろ幼少期にはそちらのほうが)大切なものなのだと改めて考えさせられます。

自然科学研究機構国立天文台准教授、縣秀彦先生の『ヒトはなぜ宇宙に魅かれるのか』(経法ビジネス新書)によれば、南米のコロンビア第二の都市であるメデジンは、2013年のウォール・ストリート・ジャーナルで「最も革新的な都市」の第一位に選ばれたそうです。その街づくりの中心は「美術」「音楽」「スポーツ」とならんで「科学」。その中でも「宇宙」を象徴する近代的なプラネタリウムが2012年に完成し、現地の人たちの誇りになっています。コロンビアではこれまでの治安の悪さが問題でしたが、根本の問題としてあるのが貧困です。彼らは科学技術を発達させることが、自分たちに豊かさをもたらしてくれると信じて、普及に取り組んでいます。さらにそれだけではありません。15歳ぐらいのギャング団の若者たちが、そのプラネタリウムにやってきて、見終わった後に館長にこう言ったそうです。「俺たちはいつも狭いテリトリー争いを繰り返してきたけど、間違っていた。地球全体が俺たち人間にとってのテリトリーなんだ」と。それから抗争は収まり、若者たちは学校に通い始めました。宇宙を知ることが精神的な豊かさをもたらすことにつながったのです。

私も高校生の頃、部活動でうまくいかなかった時、帰りに一人で夜の海を眺めていました。チームの中で人として扱われず、コマとして扱われる(ように感じた)ことに青くさい憤りを感じていたのです。故郷の三陸海岸の海は夜になると真っ暗になります。その水平線の向こうにところどころ小さく光る船の光。さらにそのずっと先には別の大陸がある。そう考えると海の壮大さとの対比で、自分の失敗やくやしさも小さいものだと実感。気持ちが楽になり、翌日も(補欠ですが)チームに貢献すると割り切って前向きに部活に打ち込めました。

今が西暦2019年。人類が誕生して20万年(諸説あり)。地球が生まれて46億年。宇宙が生まれて138億年。気の遠くなるような時間から見たら人間の一生もほんの一瞬です。生活していると「わかってもらえない」「つらい」「うまくできない」など、イライラして思い通りにいかないことがあります。でも時間と空間の広がりを想像すれば、その中でのクヨクヨなど、なんと小さいことか!? さらに自分の一生のつらい時期だって、振り返ってみたら、自分を成長させてくれた時期だったと思えるかもしれません。自分の周りが世界のすべてではありません。気持ちが疲れたら、夜空や海を眺めて、気分を切り替えてみてはいかがでしょう。みなさんは普段どんな気分転換をしますか?

小林 薫j.union株式会社 東京支店

最近、円形脱毛症になってしまいました…。
好きな言葉は増毛です!

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