2019.10.29
【人材育成】聞き手側に大切なことは、「基準」に因われないこと

最近、厚生労働省がパワーハラスメントに「該当する場合」「しない場合」の例を含んだ素案を労働政策審議会に示したところ、委員から疑問や指摘が寄せられたということで話題になりました。
弊社には、ハラスメントを含んださまざまな「相談対応についての相談」が寄せられることがあり、そこでも「例」や「基準」を問われることがあります。

もちろん、組合役員のみなさんは回答をそのまま使うわけではなく、組合員の訴えをきっかけに、参考情報を広く集められている上で見解を伝えたり、情報提供を行うことをサポートするわけですが、働く人ひとりひとりが持つ問題に「普通」や「基準」を持ち込んでよいのだろうか? ということで対応に窮することがあります。

被相談者(当記事では相談を受ける側)として活動する組合役員のみなさんも同じだと思います。
相談者の持つ基準や、正しさ、べき論への同感を求められ、対応に窮しておられるのではないかと思います。そうでなくても、相談を受ける「被相談者」という立場はなかなかに難しいと思います。

被相談者のみなさんは、日々さまざまな理由で困っている相談者のために、できるかぎり手を尽くすなどの努力をされています。こと、組合役員という立場は日常の相談レベルを超えた「ハイレベルな被相談者」としての対応を求められ、その声に応えていることは、本当に頭がさがる思いです。

平成30年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活に関する不安、悩み、ストレスについて「相談できる人がいる」との回答割合は 92.8%。
年齢階級としては、20~29歳の95.9%が最も高く、60歳以上86.7%が最も低いようです。

多くが、相談できる相手を持っているという結果ですが、同調査で5%が「相談できる人はいない」と回答していることに心配と寂しさを感じました。
社会に必要とされる仕事や職業生活をしているにも関わらず、仕事や職業生活に関する相談をする相手さえいない状況には複雑な気持ちです。

いずれにせよ被相談者の役割を担っているのは「上司・同僚」「家族・友人」という存在です。
回答者の8割近くが、「上司・同僚」「家族・友人」を相談する相手として挙げているのですから、当記事をお読みになっている方も組合の所属いかんに関わらず、当然に被相談者として含まれることでしょう。相談者の数、むしろ相談の数だけ被相談者がいて、職場の上司や同僚、また家族・友人である多くの方が、被相談者という立場に立つ可能性が高いわけです。

被相談者という立場で「例」や「基準」、「普通」ということを持ち出すことについて、みなさんはどう思いますか? 逆に、相談者の立場で考えてみてもよいかもしれません。
「相談させてください。これって、パワハラではありませんか?」という質問に、知識に照らしてYes or Noで回答することは「相談」として成り立っておらず、ナンセンスかもしれません。
しかし、日常の中で似たようなことをしてしまってはいないでしょうか?

このように小さな「残念な対応」の積み重ねが大きな残念につながり、「満足な対応」が積み重なっていれば大きな満足につながります。
「例」や「基準」に因われるのではなく、相談者本人の本当の課題や、欲求に対して応えるレベルの被相談対応ができることが大事かもしれません。
「ハイレベルな被相談者」として対応できる組合員・組合役員を育てていくことこそ、大きな満足のある職場づくりにつながるのではないかと思います。
かくいう私は相談を受けることに苦手意識があるため、より良い被相談者であるための勉強をし、トレーニングを怠らないようにしています。

みなさんはどうでしょうか。よろしければ、簡単なアンケートにご回答いただければと思います。
次回の私のコラム執筆時までに、回答がある程度いただけたら、発表させていただこうと思っています。

■職場・仕事についての被相談者アンケート
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※簡単なアンケートです、お気軽にご回答ください。

日常である「相談」を、そこまで難しく考えなくてもいいのではないかと思いはしますが、せっかく私に相談しようと思ってくれたのですから、相談のあと「相談してよかった」と思ってもらえたら幸いです。
文章にすると仰々しくはありますが、日常の喜びのための小さな努力は必要だと考えています。

j.union広報担当j.union株式会社 広報グループ

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