2019.12.09
【人材育成】労働組合ができる組合員のキャリア育成とは?目標管理運用支援が組合員一人ひとりの自己成長を促すカギ。

早いもので12月。
1年の振り返りや目標設定などでお悩みの組合員も多いのではないでしょうか。

今回は、上司と部下の互いの関わり方が重要になってくる「目標管理制度」について見直し、先行き不透明な状況にも対応できる組織や人材づくりを行っている組合様の事例をご紹介します。

環境変化による組合員のキャリアへの不安

今回ご紹介する組合様では、昨今の経営環境の変化を受けて、事業部門の再編や営業体制の見直しが相次いでいました。
「中長期的に雇用と賃金を守る」という観点から、労働組合も変化を受け入れていましたが、現場の組合員からは今後の働き方に対する不安の声が上がってきている状態でした。

不安の声はさまざまあるのですが、なかでも「目標管理制度が形骸化している」という実態は組合員の不安に多くつながっている点でした。導入して長く経つ目標管理による人事考課制度は、面談の実施は定着化したものの、実際は「目標と評価結果の伝達」のみが行われている状態でした。

目標管理制度を通して、上司と部下が組織の方針・目標を共有できれば......
 
 ・よりよい仕事の進め方を常に協働できるようになるのではないか
 ・変化にも対応していける強い組織になるのではないか
 ・そして、それは組合員の「キャリア」を描く支援にもなるのではないか

ということで、まずは「目標管理制度」の運用を向上させていく取り組みを行うことに決めました。

上司と部下の目標管理が組織を強くする!

こちらの組合様が実施した「目標管理制度」に関する取り組みのポイントは下記です。

≪ポイント1≫
アンケートで「目標管理制度」の運用状況を確認・分析

単に「制度がルール通りに運用されているか」のチェックだけにならないよう、設問設計から工夫を重ねました。

こちらの組織では「"現場発の働き方改革"の可能性こそが、変化の激しくスピードが求められる時代を生き抜くためのカギになるはずだ!」ということが労使共通の考えでした。この「カギ」を見つけ出すには、各職場の上司と部下に対して、下記2つの内容の確認が必要でした。

 ・「前期の仕事をどうまとめ、今期の仕事をどう計画しているか」という、目標面談の「中身(質)」の実態
 ・市場ニーズや組織方針の変化に対する上司・部下間の「変化対応力」と「創意工夫力」の現状

 そのため、下記の内容が把握できる質問が考えられました。

 【上司】
  部下一人ひとりに期待する「役割と成果」を伝え、部下の成長を支援することができているか?
 【部下】
  上司から期待されている「役割と成果」を理解し、その仕事の進め方を上司に提案・相談することができているか?

 下記は「部下」への聴取項目の一部です。

 ●人事制度
  ・上司からの役割期待の明示
  ・上司からのアドバイスや指導
  ・自分(部下)から求める支援の要請
  ・自分(部下)から求めるアドバイスや指導の要請
  ・評価と目標への納得度
  ・目標達成への意欲             ・・・など

 ●通常業務
  ・上司による部下取り扱いの公平さ
  ・上司による意見・アイデアの尊重
  ・上司との話し合い
  ・上司への積極的な意見           ・・・など

≪ポイント2≫
「被考課者訓練」を実施し、組合員を育成

アンケートと共に始めた取り組みがもう1つあります。

それは、期末面談と目標設定面談が始まる前に、組合員に被考課者側の意識改革に関する研修を行うこと。

アンケートデータを分析したところ、【部下(組合員)】の「目標達成への意欲」や「評価への納得度」を高めるためには、上司の行動だけではなく、部下自身の行動も改善する必要があることが明らかになったからです。
もちろん同時に【上司】への考課者訓練を経営へお願いをしていました。
「どちらかさえ指導すれば良い」ということではありません。互いに歩み寄ることが必要です。

各拠点や職種ごとに単位を分け、就業時間後の2時間程度を用いて、下記のようなカリキュラムを展開しています。

『上司をマネジメントしよう! ~明日からできる目標面談活用術~』

  ●目標面談活用術 戦略編
   ・「目標管理制度を活用する」って、どういうこと?
   ・目標管理制度の目的とねらい
   ・目標管理で目指す職場とは
   ・人事考課の目的とねらい
   ・目標管理と人事考課に臨むときのスタンス

  ●目標面談活用術 戦術編
   ・面談への事前準備
   ・目標設定面談への臨み方
   ・中間面談への臨み方
   ・期末・フィードバック面談への臨み方

組合員の声に変化が

この取り組みで定期的な「チェック」と「育成」を行う中で、組合員から下記のような声が聞こえてきました。

 ・セミナーを受けて、部署の方針をより意識して仕事に臨むようになった
 ・「上司をマネジメントする」という考えが目からウロコだった
 ・「上司へ積極的に相談すること」は仕事のレベルを上げていくために重要だと感じるようになった
 ・目標を明確にしていく過程で「自分がこの会社で何を行いたいのか」という自分のキャリアについても考える時間が増えた

目標管理制度の運用支援は、組合員一人ひとりの自己成長を支援する「人材育成活動」
まさに労働組合が支援できる活動です。
「誰かが与えてくれる」ことを待つのではなく、自分で身近なところから動き始められる支援をすることが、労働組合ができる組合員のキャリア支援ではないでしょうか。
 

今回のお話にご興味をもたれた方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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