j.union株式会社

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2020.03.01
【組合活動】「生産性」向上のために知っておきたいこと

働き方改革、長時間労働対策、各種勤務制度など、労働組合としても対応が迫られている取り組みで求められるものに、働きがい・やりがいと同時に「生産性」という言葉をよく聞きます。「生産性」と聞くと、インプット(投入量)に対するアウトプット(産出量)の割合を高くする技術や業務改善の効果を図る指標的な意味で用いられることが一般化しているように感じます。

そこで、そもそもの「生産性」という言葉の由来は何かを調べてみると、1959年3月、ヨーロッパ生産性本部が、ローマ会議報告において生産性について定義をしていました。その定義を紹介すると、
「生産性とは、何よりも精神の状態であり、現存するものの進歩、あるいは、不断の改善をめざす精神状態である。それは、今日は昨日よりも良くなるという確信であり、明日は今日に優るという確信である。それは、現状がいかに優れたものと思われていて、事実、優れていようとも、改善していこうとする意志である。それはまた、条件の変化に社会経済生活を不断に適応させていくことであり、新しい技術と、新しい方法を応用しようとする不断の努力であり、人間の進歩に対する信念である」

つまり、仕事を進める上での精神であり、環境の変化に対して不断に適応させていく必要性を常に意識し、今の状況に甘んじることなく、さらに優れた改善をしようとする、進歩に対する信念ということです。

よって、生産性とはアウトプットを最大化することにより物質的、金銭的なリターンを得ることだけを目的としているのではなく、働く人としての価値を高め、自らが成長を実感しながら日々を送るために必要な思考法とも理解できます。
生産性を向上させることが組織の業績につながるのであれば、生産性の定義に書かれた内容を一人ひとりが実践できるための人材育成は組織として欠かせないものだと思います。

労働組合が果たす役割の一つである組合員一人ひとりの労働条件の向上を果たすためには、一人ひとりの組合員が生産性の高い働き方のできる環境を整備し、今までよりも付加価値の高い働き方をすることが大切です。そのためには、生産性の高まる職場を構想し、目指す職場に向けて労使で必要な取り組みをお互いの強みを生かして取り組むことが重要となります。特に、現場を把握している労働組合に期待したいのは、経営陣が気づかない目指す職場の実現を阻害している事象を把握するか、その対応策を職場レベルで考え経営陣へ共有し労使が協力して取り組めるように働きかけることです。また、前向きに、やる気をもって働ける状態は、良いアウトプットを出すために良い影響をもたらすものだと考えたとき、その状態を阻害する課題、例えば、職場の人間関係や、上司・部下の関係性など経営陣の把握しづらい課題を発見し具体的な対応策を職場の労使で共有し実践することにも期待します。

すでに2020年春季生活闘争がスタートしています。
多くの組合では春闘で協議する内容が賃金の交渉だけではなく制度の運用面や職場環境の改善など幅広いテーマにわたっていると思われます。これは賃金交渉の必要性が薄れてきているのではなく、組合員一人ひとりの働き方の変化や価値観の違いによるニーズの多様化によるものであり、組合員の幸せを追求する組織である以上必然的なことだと考えます。

春闘に限ったことではありませんが、労使が互いに協議する目的は労使互いの発展にあると思います。
今日のように、変化の激しい時代の中で、一人ひとりの働き方に対するニーズも多様化する中で、一人ひとりの組合員が生産性を高めながら働くためには、労使が一体となって働きやすい環境づくりに取り組むとともに、私たち労働組合が主体となって組合員の成長意欲を高めるための人材育成や、日々の職場生活で起こる職場の問題を職場の労使でしっかりと解消する取り組みが大切です。労働組合のリーダーの皆さんには、今日は昨日よりもさらに働きやすく、やりがいを感じることのできる職場づくりを行うという意志をもって組合活動に取り組み、一人ひとりの組合員の生産性が高まる職場づくりをリードしていただきたく思います。

吉川 政信j.union株式会社 常務取締役

休日のアウトドアライフで、ワークライフバランスはパーフェクト!(もちろん家族サービスも込みです)

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