2020.05.18
アフターコロナの新常態 求められる変化対応

先日とうとう39県に対して緊急事態宣言が解除されました。
残る8都道府県においても感染拡大の傾向は落ち着きつつあり、もちろん油断はできないものの、まもなく緊急事態宣言が解除されるものと考えられます。
この数か月間、先行きの見えない暗いトンネルを走ってきた我々にようやく明るい出口が見えつつあります。

アフターコロナで以前の日常は戻ってくるのか?

緊急事態宣言が解除された地域では、外出自粛要請、休業要請もなくなり徐々に日常を取り戻そうという動きが出始めています。
いくつかの商業施設は運営を再開し、観光地の人出も少しづつ戻りつつあります。
やっと帰ってきた日常。しかし果たして以前のような日常は戻ってくるのでしょうか?

一足早く収束を宣言した中国では、人々が日常を取り戻し経済活動や消費行動を再開する様子が取り上げられていますが、その実際は以前とは少し様相が変わり、一定の管理や規律が求められながら再開されているようです。
市民の感覚としてもまだまだ感染リスクが存在すると考え、警戒感を持って外出には積極的になれず、自ら行動を抑制している者も多くいるようです。

初期段階においては、私自身もいずれ以前のような日常が戻ってくるものと考えていましたが、今となっては全く同じような日常が戻ってくると考えている方はほとんどいないのではないでしょうか。

新型コロナウイルスが瞬く間に世界へ広がったのは、航空機による大量高速移動の時代ならではと言われています。
思えば近年、SARS、MERS、新型インフルエンザ、BSEや鳥インフルエンザなど、新しい感染症による感染拡大危機は何度もありました。
グローバル化が進む世界において、新しい感染症の拡大リスクは常に存在し、このリスクに対応する新しい新常態いわゆるニューノーマルな社会への変化はもはや受け入れざるを得ないでしょう。

望むと望まざるとを問わず、私たちの常識は変化している

この数か月、感染拡大リスクに備えて意識と行動を変えてきた私たちの感覚と常識はかなり変化していることを感じます。
私自身、先日、ふと目にしたテレビの風景で、新型コロナとは全く関係ない病人が咳をするシ-ンを目にしただけで強い警戒感を抱いてしまいました。
個人が望むと望まざるとを問わず、自然とその感覚、常識が変化しているのだと気づきました。

感染拡大が収まった後、緩やかに接触型、対面型のコミュニケーションも再開されていくでしょうが、少なくとも今後1年以上は自然とそのようなコミュニケーションは避ける心理が働くことは想像に難くありません。
不特定多数が集まる場でのイベントや、飲食など、現在避けるべきとされている消費行動やビジネスは、新常態において以前と全く同じ状況を期待するわけにはいかないでしょう。

そもそも人間にはパーソナルスペースという親しくない人が近づくと生理的に不快に感じる距離があります。
45~75センチの範囲内に配偶者以外の人間が入ると違和感を感じ、75~120センチでもあまり親しくない人が入ってくると不快感を感じることが多くなるそうです。
満員の通勤電車でイライラしてしまうのはごく自然なことで、本来、不特定多数の人間と長時間密集した場所にいることは生理的に受け入れられないのです。
都市部の不特定多数の密集に慣れてしまっていた私たちは、この当たり前の感覚を麻痺させて都市生活に無理に順応していたと言ってもいいでしょう。
パーソナルスペースは社会文化や民族によっても異なりますが、アフターコロナの新常態においては、このパーソナルスペースの意識は自然と今まで以上に強くなることが予想されます。

求められる環境変化への対応、従来の常識を疑え

また、現在リモートでの生活やビジネスを余儀なくされ、直接会えないなら、会わないなりのやり方でやるしかないと、何とか対応しているうちに「むしろこの方が効率的では?」「意外と何の問題もなくできる」などの、新しい発見がありました。
思えば多様性、働き方改革などの観点から、もともと同じ場所で同じ時間に働くという従来の働き方は柔軟に変化すべきとの声は高まっていました。

AIや通信技術の大きな進歩とともに、リモートツール、オンラインショッピング、多様な配送方法、ホームエンターテインメント、遠隔医療などの技術は大きな進歩を遂げており、リモートワークはITリテラシーの高い進歩的な企業では、ごく当たり前とされていた柔軟な働き方でしたが、過去の働き方にとらわれていてこれに拒否感が大きかった企業も、今回否応なく対応せざるを得ないことで、ただの食わず嫌いだったことに気づかされています。

もちろんチームとしての意思決定の迅速化、コラボレーションの強化という点で、非対面ではカバーできない対面コミュニケーションの優れた部分は多いものの、今回のことでそれぞれのメリットとデメリットがよくわかり、必要に応じた使い分けを意識することができるのではないでしょうか。

今起こっていることは全く新しい変化ではなく、従来から求められていた変化が新型コロナウイルスの感染拡大という危機をきっかけに、一気に加速させるだけにすぎません。
従来こだわっていたあらゆる常識を疑い、今一度本当に必要なものと必ずしも必要ないものを見極めながら、新しい変化に対応していくことが求められる時代です。
私たちが真のプロフェッショナルとなるためには、新しい新常態への変化対応は欠かせません。

トンネルを抜けるとそこは雪国だった......
その雪国が私たちにとって極寒の厳しい世界なのか、銀幕の美しい世界なのか?
いずれにしろ私たちは後戻りすることはできず、前に進みながら新しい世界に対応していくしかないのです。

佐々木 務j.union株式会社 管理本部

週末の家族サービス、子ども相手にいろいろ遊んでいるうちに
自分の方がハマっている事が多々あります。
もはや「サービス」ではなく「趣味」かも知れません。

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