2020.06.22
【組織開発】「Withコロナ」これからの労働組合に求められる構想力

◆組合活動の未来に向けた思考を止めない!

新型コロナウイルスという未曽有の出来事に直面してから数カ月が経過し、私たちはさまざまな変化への対応を迫られています。4月に実施した弊社主催の組合活動に関する緊急アンケートでは、95.5%が「新型コロナウイルスの感染拡大によって活動が停滞していると感じる」と回答する結果となりました。状況が一変したために従来の組合活動が一時的に停滞してしまうのは致し方ないことです。しかし、組合員の不安が増大している今こそ、私たちは組合活動の未来に向けた思考を止めてはいけません。さらに思考を研ぎ澄まし、知恵や知見を結集し対話を進め、労働組合をアップデートする構想力を培う必要があります。

◆構想の起点となる「Withコロナ」組合活動事例

従来型の組合活動の停滞に直面している私たちですが、今は多くの労働組合でコロナ対策のための緊急措置の組合活動事例が報告されています。一部をご紹介します。

・評議員向けに、オンライン職場集会のスキルを育成する研修を実施(メーカー労組)
・集合型の組合員セミナーを中止し、プログラム内容を機関紙コンテンツとして配信(食品系労組)
・定期大会の開催、議案決議、役員選挙をオンラインで実施(食品系労組)
・在宅勤務者に対し緊急アンケートを行い、結果分析に基づき在宅勤務ガイドラインを作成し労組HPで公開(流通系労組)
・7月実施の定期大会についてオンラインでの開催に向けて対応(エネルギー系労組)
・定例実施の組合員向けイベントに代わり、健康関連のオンラインセミナーを実施し、組合員から高評価を得る(住宅設備系労組)
・トップメッセージとしてブログを急きょ開設し組合員の不安払拭のための情報を毎日発信する(サービス業労組)
・議案書のダイジェスト版を発行し、組合員へ方針について周知徹底を図る(重工業労組)
・議案説明のために役員専用HPサイトにて動画による情報発信(金融労組)
・ブログで毎日労使での協議内容を公開/コロナ相談室を設置/健康促進メーカーのeーラーニングと契約し組合員に提供(機械メーカー労組)
・出勤者への労いを込めてサンキューカードを発行(システム系労組)

これらの活動には、従来の活動の代替である側面と、今後の組合活動の構想を練るうえで起点となる意味合いが含まれていると感じます。

◆コロナ以前からの課題×想定される新たな価値観=シフトチェンジ

今後の組合活動をシフトチェンジするためには、従来から抱えていた課題を見つめ直し、今後生じると想定される新たな価値観と掛け合わせて考えていくことが重要です。労働組合はコロナ以前から次のような課題を抱えていました。

・組合員の組合への関心が低い
・役員のなり手不足
・役員の思いやノウハウの伝承
・組合活動自体の目的化
・儀礼的な組織運営 など

このような課題を乗り越える一方で、現在進行形である「Withコロナ」時代と、コロナ終息後の「Postコロナ」時代に起こる変化や、そこで生まれる新たな価値観を考え抜き、課題や問題に対して行動することが必要だと考えます。

では今後、労働組合を取り巻くステークホルダーの価値観や概念にどのような変化が起こるのでしょうか。一部をご紹介します。

・オンライン化・デジタル化の加速度的進歩による産業構造の変化
・経営計画の見直しによる組合員の雇用不安が増大
・生産性の二極化・成果重視の賃金体系へ移行の流れ
・組織階層の消滅・個主体の組織運営にシフト
・教育目的の変化に伴い行動に直結する育成を重視
・地域社会のあり方の変化・人重視の社会になる
・家族・余暇・ライフスタイルの意味付けの変化
このような新たな価値観や課題と、従来の課題を掛け合わせて、これらの課題に向き合い、乗り越えた先に労働組合の本質が見えてくると考えています。
「過去に感じていた組合活動に対する違和感」「今起こっている目の前にある問題」「その先にある価値観の変化」これらをオープンに情報共有・対話・議論ができる基盤をつくり、仲間同士がつながることで価値を生み出すことが、より重要になるのではないでしょうか。

◆一人ひとりの想いやアイデアを繋ぐことが大切

これからは、さらにオンライン活動によりアイデアや事例を共有し合い、組合活動に新たなコミュニケーションスタイルを定着させ、価値を生み出すことを目指します。そして組合員の不安を払拭し、今後の働き方・暮らし方に希望を持ち、自らがビジョンを描き行動することをサポートできる組合活動を実現しましょう。

私たちj.unionは、今までもこれからも労働組合の活動に寄り添い、活動を支援し続けることをミッションとすることに変わりはありません。
日本の労働組合の基盤を構想し具現化を支援する活動として「j.union base project」をスタートさせ、これからの組合活動に寄り添い、貢献し続けることをお約束いたします。これからも、よろしくお願いいたします。

淺野 淳j.union株式会社 専務取締役

労働組合の集団的フォロワーシップ発揮を応援し続けて20年!!

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