2020.07.12
人材育成のポイントは「変わる」ために「変える」こと

働き方や状況が目まぐるしく変化する中、みなさんの組織ではどのような人材育成を行っているでしょうか。在宅ワークの浸透や、集合機会の減少、また「人生100年時代」とも言われ個人の働き方に対する考え方も大きく変わっていく中、労働組合は組合員とどのような関係を築き、どのようにして人材を育てていけばよいのでしょうか。

特に昨今の新型コロナウイルス感染拡大による影響は大きく、「研修を含めた人材育成がほぼストップしてしまった」という声は非常に多く聞かれました。一方で、早い段階から手段を変えながら、そのときの状況にあわせた人材育成を継続されている組織も多く存在しています。これまでのやり方を切り替え継続する決断をするまでに、さまざまな葛藤を抱えながら、それでも活動を進めていく中心には「継続的な取り組み」の重要性が深く根付いていることがうかがえます。

また、「組織の時代」から「個の時代」とも言われるいまだからこそ、組織強化のための教育・育成ではなく、労働組合が「個の成長」を支援し、その結果として「組織の成長」へとつながる道をつくることが重要であると、さまざまな組織の育成支援をさせていただく中で強く感じています。

継続的な取り組みの先にあるもの

例えばある組織では、10年以上前から「自助」「共助」をキーワードに人材育成を進めています。「自分自身のスキルアップやセルフケアができる力をつける」「周りの仲間と支え合い、助け合える関係をつくる」等のコンセプトを決め、単年度ではなく継続的に組合員が学ぶ機会を提供し続けています。
この継続的な取り組みを通じて、組合員はありたい姿の実現のためにまなび、仲間を見つけながら個人の成長を感じ、その結果として、組合としての組織力強化にもつながっていくのです。

そして、現状の状況下においても「自助」「共助」の実現のために、まなびを止めないための工夫として、オンラインセミナーや、ホームページを活用した録画セミナーなど新しい取り組みが続いています。

見えなくなっているもの

こういった変化の過程の中で出てくるのが「心理的盲点」です。
「組合活動はこうあるべきだ」「このやり方が一番効率のいいやり方だ」といった固定概念に邪魔をされ、見えているはずのものが見えなくなってしまうということが起こります。
もちろん守るべき伝統や各組織が大切にされている価値観は尊重しながら、その上でちょっと違う視点でみてみる、関係ない分野だと切り捨てずに興味を持ってみることが、さらに組織が進化していく一つのポイントかもしれません。

例えば、「新型コロナウイルスによって集合型教育が難しい」「研修は全員集まってやらなければダメだ」「研修と懇親会はセットにしないと人が集まらない」などといった
研修とはこういうものだというような思いや価値観が、新たな取り組みを止めてしまっている場合もあります。

歴史を振り返ると、疫病や経済といった数多くの危機に乗じて社会構造やそれに伴う考え方が大きく変化を遂げてきました。
14世紀のペストでは教会の権威や封建制度が崩壊し近代化に移行するきっかけとなり、
19世紀のコレラでは細菌学や免疫学などの近代医学、医療機器が生まれるきっかけとなりました。

このように「いま見えているものを見続ける」のか「見えていないものを見ようとするのか」によって、その後の手段方法が変わってくるのではないでしょうか。

私自身もよくあることですが、どうしても型や思考のパターンにはまってしまうことが多々あります。大事なのは、そうならないようにすることだけではなく、そうなったときに気付き変化していくことです。

みなさん自身そして、みなさんの組織にはどんな「心理的盲点」があるでしょうか。
そしてその気付き・変化を通じて、さらに「個人が成長」し「組織が成長」していくための仕組みを、まさにいまどう構築していくのかが重要であると感じています。
改めていま問われているのは、新たな手段に変える(変化)だけでなく、変化を生み出す考え方や価値観を変えていく(変容)ことではないでしょうか。

濱田 あさ葉j.union株式会社 高崎支店

「適切な情報を適切なタイミングでご提供する」をモットーに、日々活動のお手伝いをさせていただいております。

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