j.union株式会社

労働組合の活動を
総合的に支援します。

2020.10.12
組合活動の本質を考えてみる

突然ですが、組合活動の本質って何だと思いますか?
おそらく、世の中の組合役員に問えば100人100通りの答えが返ってくるのではないでしょうか? 本稿では、タイミングとしては定期大会の時期、組合員の声を吸い上げている時期であると仮定し、組合活動の本質を考えてみたいと思います。

■まず、7月のアンケート結果から

2020年7月6日~7月20日にかけて、「組合活動の現状把握」と題し、弊社とご縁のある労組102労組の方にアンケートを回答いただきました。アンケートの内容では、あくまでも活動を企画する組合役員の意見でありますが、みなさんの「関心」が結果として立ち現れたものだと考えました。
※詳細は、こちらからご確認ください。

■今回の調査結果から言えること

①労組リーダーの育成(人の育成)は進んでいるか?
・執行委員の活動意欲は高いが職場委員は低い、総じて労組リーダー育成はうまくいっていないと回答
 
②職場の問題を職場で解決できているかどうか?
・問題の把握や労使の議論はできていると傾向だが、職場の課題の解決には至っていないと回答
・組合員も参加できていないという現状

③組合活動で獲得したいことは獲得できているか?
・活動が組合員の働くモチベーションに繋がっていないという傾向
・職場で仕事の動機付けができているかどうか(上司が部下に)はできていないという結果 
・組合員の望む「仕事と暮らし(WLB)」になっているかどうかは曖昧(どちらともいえない)な回答
・組合員は自発的に学べていない傾向 ⇒キャリアアップの支援ができているかと言えば、曖昧な回答

④組合の組織運営は目的に合わせて、方法を変えられているか?
・ビジョンは一定数の組織で持っている結果、その上で目的に近づいていると感じている
・活動は変えられているかどうかは約4割が形骸化していると回答
・組合の意思決定プロセスを柔軟に変えていきたいか?という問いでは、
スピーディーに判断していきたい(約8割、肯定)

■労働組合がやりたいこと「関心」に目を向けてみる

上記のような結果でしたが、どのように感じられましたでしょうか?
私はこの結果からそもそも労働組合がやりたかった最大の「関心」は何だったのだろうか、とそのように思いました。私の意見では、上記の結果から言うと③の組合員の状態を指す項目だと考えています。言い換えると、組合員の「関心」に対して労働組合の活動がリーチできていることが組合活動の本質に近いのではないか?とそう考えました。

■そもそも労働組合は組合員の「関心」を把握してきているのだろうか?

j.unionではさまざまな組合さまで意識調査や職場自治活動など声の吸い上げの支援、活動ビジョンの策定など多岐にわたる領域でご支援をしてきましたが、今までの組合組織が職場の声を吸い上げる理由は、職場や組織の状況把握や課題解決をメインにしてきたのではないか? と感じています。また組織の中期ビジョンの策定をご一緒することも多くありますが、労働組合のビジョンには「つながり」というプロセスを示すものがいままで多くあったと把握していますが、昨年からの変化では個人単位において「幸せ」「充実」「楽しむ」など、個人の感性や実感に関する「結果」を示すワードが増えてきたのではないか?と感じます。
労働組合自体の関心も、集団として「つながり」を持ち、何かを得る、というものを前提においた上で、その先にある「幸せ」を得るために組合は存在していこう、というニュアンスで組合の「関心」軸にも変化が起きているのだと私は洞察しています。これは新型コロナ禍だからという外部要因だけではなく、企業の目的や運営方法において、ビジョン型の経営へのシフトや、価値観を重視したマネジメントの在り方(1on1のような上司部下との対話を重視する施策等)に変化してきているからではないか?このように内部要因も関係しているように思います。

■組合活動の方向性は変わっていって当然(人間の集まりだからこそ!)

本稿の最後に、ドラッカーは「仕事」の優先順位においてこのような言葉を残しています。

「強みと仕事の仕方が合わないことはあまりない。両者は密接な関係にある。ところが、強みと価値観が合わないことはめずらしくない。よくできること、とくによくできること、おそろしくよくできることが、自らの価値観に合わない。世の中に貢献しているとの実感がわかず、人生のすべて、あるいはその一部を割くに値しないと思えることがある.(中略)つまるところ、優先すべきは価値観のほうである。」
 ※参考:プロフェッショナルの条件: いかに成果をあげ、成長するか 著者: P・F・ドラッカー

ここでいう価値観を関心と変換すると、組合員が仕事の中で優先すべき方向性もまた変化してくるのではないでしょうか? 何のために働いているかと言えば、組合で増えつつある労組ビジョンのように、それはまぎれもなく幸せのためだと言ってよい時代になったと言えます。そのためには従来のように「能力」や「集団でつながる」ということだけではなく、「価値観」「関心」といった、「個」の領域へのリーチがこれからの活動の領域になると感じます。
労働組合の方向性も組合員の集合体であるならば、一人ひとりの関心に基づく活動が組合の新しい「価値」となって表れていくのではないか? そのような仮説を持ち、活動を支援していきたい。そしてみなさんと一緒に組合員の関心に応える活動を産み出していきたいとそのように思っています。

横田 直也j.union株式会社 経営企画グループ

最近はマンガ「キングダム」にドハマりしております。
好きな言葉は、孫子の兵法から…「将とは智・信・仁・勇・巌なり」

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