j.union株式会社

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2021.05.30
ワーク・エンゲージメントをもう一度

◆70歳まで働く時代に

2021年4月から「高年齢者雇用安定法」の改正が施行されました。これは企業に対して「70歳までの就業機会確保」の努力義務が課せられるという法改正です。これからは70歳まで働くのが当たり前になりますよ、みなさん備えておきましょうね、という法律なのです。

そのために企業は

(a)定年廃止
(b)70歳までの定年延長
(c)継続雇用制度導入(子会社・関連会社での継続雇用を含む)
(d)他の企業(子会社・関連会社以外の企業)への再就職の実現
(e)個人とのフリーランス契約への資金提供
(f)個人の起業支援
(g)個人の社会貢献活動参加への資金提供

などの取り組みを通じて、働ける環境を整備していってくださいねというメッセージなのです。
1973年生まれ、第二次ベビーブームで最も同級生の多い私にとっては、同時に「年金対策なのだろうな」という思いも拭いきれませんが。

◆中高年のワーク・エンゲージメントは?

そんななかで、「働きがい」をもって働くことのできる環境の実現に向けてワーク・エンゲイジメントが注目を集めています。
ワーク・エンゲージメントは仕事に関連するポジティブで充実した心理状態のことで、「活力」・「熱意」・「没頭」といった、3つの要素からなると言われています。
これらは、特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知のことだと考えられています。


「仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる」
「自分の仕事に誇りを感じる」
「仕事をしていると、つい夢中になってしまう」。

みなさんは、ワーク・エンゲージメントを感じていますでしょうか?
特に私と同世代の中高年のみなさんは、感じられないという人も多いのではないでしょうか?

世の中には輝いている中高年がいる一方で「どうせ、何も期待されていない」「やっても誰も関心を向けてくれない」「後輩が上司だ」といった状態になり、職場で意固地になって、「(一人)ぼっち」「コミュ障」になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

◆「折檻状」をもらった佐久間信盛

織田信長の家臣であった佐久間信盛は晩年、信長から「折檻状」をもらったことでも有名な武将です。
佐久間信盛はもともと信長の父、信秀に仕えており、約30年にわたって織田氏家臣団の筆頭家老として家中を率いていました。
しかし信長に敵対する石山本願寺を攻略できないまま5年が経過。結局、信長自身が動いて、石山本願寺を降伏させることになり、佐久間は「折檻状」をもらうことになります。
内容は簡単に言えば「お前何やっているんだよ!」というメッセージ。
信長はこの書状のなかで、佐久間に選択を迫ります。
「どこかの敵を倒して帰ってくるか、どこかで討ち死にするか、あるいは出家するか」だと。
長年織田家に仕え、家督争いの時にも一貫して信長の味方をし続けたのに、結果として「折檻状」をもらうことになり、佐久間信盛はどれほどのショックを受けたことでしょう。
結局、彼は出家することを選び、寂しい余生を送ります。代わって佐久間の軍を率いることになるのが、明智光秀。後に元・佐久間の軍は、本能寺の変で信長を討つことになります。

◆先人を反面教師に

もし、佐久間が「もう一回頑張ります!」と言っていたならどうなっていたのでしょう。
信長は一応「もう一度頑張る」という選択肢も与えています。
もしかしたら、佐久間は若いころのように戦果をあげることができたかもしれませんし、光秀に信長が急襲されることもなかったのかもしれません。
少なくとも寂しい余生は過ごさずに済んだことでしょう。


私たちも「もう老いぼれだから」「おじさんだから」「誰も期待してないから」と自分で決めつけてはいないでしょうか。
また「今更なぜ私がこんなことをしなければならないのか?」とプライドが邪魔をしていないでしょうか。
悶々としながら定年まで過ごすしか選択肢はないのでしょうか。


私たちには70歳まで(もしかしたらそれ以降も)働かなくてはいけない時代が迫っています。
老後の資金2000万円必要(?)なのです。背に腹は代えられません。
もう一度、若いころのようにがむしゃらに働いたっていいじゃないですか。
新人のように新しいことに取り組んで、後輩に頭を下げて教えてもらって、時には失敗したっていいじゃないですか。
やり方を変えたり、ツールを変えたり、新たな資格を取ったり。
「老獪に」「したたかに」みなさんの培ってきた経験が活かせるステージがあるのではないでしょうか。
ワーク・エンゲージメントの「活力」・「熱意」・「没頭」は、きっと周りから与えてもらうのではなく、自分の内面からつくりだすものなのだと思います。
中高年のみなさん、佐久間信盛の教訓を活かして、生涯現役を目指し頑張りましょう。

小林 薫j.union株式会社 デジタルコンテンツチーム

最近、オーストラリア・ハワイ・ケニア・インド・トルコへ旅行しました!(オンライン)

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