j.union株式会社

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2021.09.05
学ばない大人?! 労働組合の出番です

「昔のヒーロー」

「昔のヒーロー」と呼ばれる人がいることをご存じでしょうか。
これは、最近読んだ本の冒頭に書かれていた話です。
「昔はトップセールスとして活躍していたけれど、今は鳴かず飛ばずの営業担当者」(*1)のことを指すのだそうです。

なぜ、そう呼ばれる人がいるのかというと、昔は通用したセールス手法が今は通用しなくなったにもかかわらず、知識やスキルをアップデートしていない(つまり学んでいない)から起きるのだとか。
似たような話は営業に限らず、あらゆる職種で起きているのではないでしょうか。日本人の大人は学ばないと言われて数年経ちますが、状況は変わってきたのでしょうか。

現在の若者は優秀

2021年6月に「どうするキャリア自立? 〜世代別の処方箋を考える〜」というオンラインでの座談会を開催しました。
世代を「Z世代(1990年代後半〜2000年代生まれ)」「ミレニアル世代(1981年〜1996年生まれ)」「就職氷河期世代(1970年〜1980年代半ば生まれ)」「バブル世代(1987年から1991年度の時期に就職した世代)」の4つに分けて、時代背景を理解し、キャリアについて対話をしました。

私自身は前回の東京オリンピックの年に生まれたバブルど真ん中世代です。その時代にキャリアなんていう言葉はありませんでした。日本でキャリアコンサルタントの民間資格が広まってきたのは2002年頃、国家資格化されたのは2016年ですから、私がボディコンの服を着てワンレンの髪をかき上げていた頃に「キャリア」なんて言葉は使われておらず、自分の「キャリア」を考えるなどという意識は1ミリもありませんでした。

それに比べ、私がバブルの頃と同じ世代の今の若者はどうでしょう。大学にはキャリアセンターがあり、キャリアデザイン教育もなされています。
いえ、学校によっては、小学校からキャリア教育がなされていると聞きます。だからでしょうか、最近の若い人の優秀なこと! しっかり地に足が着いている感じです。浮かれまくっていた私たちバブル時代の若者とは全然違うのです。バブル世代の私たちが今の若者に勝てるわけがありません。

労働組合こそが「ハコ」

冒頭の、日本の大人は学ばないというお話に戻って少し掘り下げてみたいと思います。
先日、立教大学 経営学部 教授(人材開発・組織開発)の中原淳氏がブログ(*2)で「日本の大人が学ばないのは、彼 / 彼女の怠惰だけに問題を帰するのではなく、彼/ 彼女が「学ばないという選択肢」をとり続けている「ハコ」に問題があるのではないか」「大人が学べるかどうか、なんて、その大人が、どの『ハコ』に『存在しているか』に依存している。」と書かれていました。

つまり、個人個人が学ぶことの大切さを認識することも大事ですが、それだけでは、限界もあります。より良い効果を上げるためには、大人が学ぶようになるような「ハコ」にすることも必要なのではないでしょうか。そして、その「ハコ」をより良くしていくのは労働組合の役割といえないでしょうか。

大きく世の中が変化している今、多くの会社・組織・部署が関わる「共創型」のビジネスやプロジェクトが増えてきているといわれています。そのような世の中にあって、これまでのような、役割別や階層別の教育だけでは対応し難くなってくると思います。
学び続けられる風土や制度がある「ハコ」であることが、個人個人の学ぶ意識の高まりにつながっていき、ひいては、この激変する世の中で、みなさんの会社が生き残っていくことにつながるのではないでしょうか。学び続けることができる「ハコ」にしていく役割を担うのがこれからの労働組合の重要な使命だと感じます。そして学び続けることができる「ハコ」が実現すれば、「昔のヒーロー」のアップデートと、若い世代のモチベーションアップが可能になり、組合員個人が自律的なキャリアを描ける「ハコ」ともなるでしょう。
人生100年時代。バブル世代の私は一日に例えるなら、お昼ごはんが終わったところ。おやつにはまだ早い。まだまだ学んでいきます。

参考
(*1) 「仕事のアンラーニング ︱働き方を学びほぐす︱」松尾睦 著
(*2) 立教大学 経営学部 教授(人材開発・組織開発)の中原淳氏のブログ
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/13213

本岩 美香j.union株式会社 経営企画本部

グレイヘアのライフキャリアカウンセラーです。

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