j.union株式会社

労働組合の活動を
総合的に支援します。

2021.10.10
組合業務のIT化から感じる「属人的な管理」

j.unionのシステム担当として10数年が経過した。
現在メインで担当しているのが名簿管理システムというカスタムメイドの管理システムだ。
名簿を管理するシステムというと、住所、氏名、連絡先、入社時期、部署などを管理するもので、特に変わったシステムではないように感じるだろう。

ところがいざ、いろいろな組織の名簿管理システムの開発に携わるにつれ、複雑な管理をしていることがよく見えてくる。複雑というより、「属人的な判断」をすることでデータを管理している点が多くみられるということだ。

では、属人的な管理にかかわる難しさにはどんな点があるのだろうか。

例えば、個人の氏名の管理に目を向けてみるとしよう。
鈴木花子さんが山田太郎さんと結婚し、鈴木さんが山田さんの籍に入り山田姓になったとしよう。ところが会社内での呼び名は、「旧姓の鈴木で管理してほしい」という本人の要望があったとしよう。この場合どの呼び名をメインとするかは鈴木さんの意向なのだ。

住所の管理などにも例外的な判断を必要とすることが多い。
正式な住所(会社に登録している住所)は、東京都立川市~だとする。ところが、出向や転籍などで住所登録先ではない登録先というケースがある。また、複数の正式な住所を持つ人というのもあるかもしれない。
組合では、これらの登録住所に郵送物等を送ることがあるので、どの住所が組合の登録先なのかを判断して登録しなければならない。

また、組合によっては、組合費の管理や慶弔金の支出管理なども含めて管理することがある。ある組合では、母子家庭の組合員が病気で長期休職となっており、その事情に配慮して組合役員が組合費を免除しているといったケースもあった。
「事情に配慮して」となると、なかなかルールにはしにくい。しかし、組合の活動の在り方を思うと、その判断に同感してしまう。そうであればシステム化と共に人間の判断を加えることのできるシステム処理が必要になる。

上記の例はほんの一例に過ぎないが、この属人的な処理が広く及んでいるのが組合の活動の特徴の一つでもある。

本来、組合の活動は組合規定により内容やその活動範囲は決まっている。従って、名簿管理システムという仕組みであれ、組合の規定に即した仕組みを構築してしまえば、それで良いのかもしれない。
しかし、「どうしても事情があってそうせざる負えないこと」ということはあるものだ。決まった規定だけで判断するのではなく、その事情を汲んで、できる限り誠実な対応をする姿勢こそ労働組合の活動に不可欠なことだと思う。

そう考えると、システム担当者としては汎用性と対極にあるカスタムメイドのシステムを如何に汎用的にするのか思案のしどころである。相反する要素を持ったシステムの完成系は、まだまだ見えてこない。
もっと組合活動の奥深さを学ぶことが必要だと改めて感じている。

細越 徹夫j.union株式会社 技術支援グループ

人と人とのつながり・めぐり合せを大切にしたい。
青森県出身、1962年生まれ。皆さんよろしく!

« 前回の記事 次回の記事 »