j.union株式会社

労働組合の活動を
総合的に支援します。

2022.01.09
対話のための大切な心構え

ここ数年、対話の重要性が改めて見直され書店でも対話をテーマにした書籍が多く見受けられます。それほど、対話には大きな力があるのだなと、改めてその重要性を感じさせられます。

対話は、広義には2人以上の人物間の思考の交流をいい(ブリタニカ国際大百科事典)、円滑な人間関係を構築する上で重要なコミュニケーションです。対話をする上で大切なことは、相手に興味を示し、価値観、感情を丸ごと肯定して意見が言いやすい安心安全な関係性を築くことです。またそれと同様に自分自身を肯定し、自分の感情に対して興味関心を持つことも大切なポイントです。今回は私自身の経験を踏まえてその重要性をご紹介します。


◆自分に無理を強いて「対話」とは遠ざかっていた過去

以前の私は、人間関係やチーム運営では、誰とでもうまくやりたい、もめごとを避けたい、いい人に思われたいという思いが強く、そのため自分の意見や気持ちを押し殺し、常に他人の意見を優先することで円滑にものごとを進めようとしていました。

しかしその一時しのぎの円滑さは、自己犠牲の元に成り立っていたため、自ずと負荷や不満が蓄積さていました。そして次第に人と深く話をすること、向き合うことへの抵抗感が強まり、心の底では相手のことを理解し、尊重することを拒絶してしまっている状態に陥っていました。仕事でもコミュニケーションミスが頻発したり、相手との溝がなかなか埋まらなかったり、常に体には何らかのストレスサイン(私の場合慢性的な腰痛やじんましん)があったりと、心身ともに健全ではありませんでした。そんなときに、会社の中でリスニング(傾聴)というコミュニケーションを学ぶ機会を得ました。

◆自分の心に向き合えたリスニング

リスニングは「感情」を大切にします。
人の話は主に「事柄」と「感情」で構成されていますが、「感情」に徹底的に寄り添います。ビジネスでは特に感情よりも事柄だけにフォーカスすることが多いです。しかし事柄の背景には必ず感情があります。この感情を理解し共感することで、相手や自分自身の感情をより深く理解し、より良い方向へと導くことができます。

私は仲間にリスニング(傾聴)をしてもらい、今まで対人関係においてふたをして見失っていた自分の気持ちや意見を解きほぐしてもらう手助けをしてもらいました。「これを言ったら嫌われるかな」「ややこしくなるかな」と今まで私が周りを気にして諦めていた本音や感情に対して、聴き手はフラットな気持ちで、私の本音や感情を丸ごと肯定し受け止めてくれるので安心して打ち明けることができました。感情に共感をしてもらえると、しっかりと話を聴いて理解してもらえたという満足感や安心感を得ることができ、ものごとの捉え方の回路が開き、自分自身で問題解決ができる力を取り戻したり、気持ちに折り合いをつけたりすることができるようになります。リスニングの学びを通し、対話はこうした「自分をありのままに受け止め肯定してもらえる喜びと同様のものを相手にもすること」が何よりも重要なのだと実感することができました。

◆リスニングを用いた対話を目指す

以前の私のように、自己犠牲から自分の本音がなかなか見いだせない人も多いように感じます。空気を読んで、相手との関係において自分の本音に蓋をする方が円滑に進むと認識を持っている人もまだまだ多くいるように感じます。しかし、それでは対話を通じた相手との関係性構築ができないだけでなく、自分の心の健康にも悪影響を及ぼすことでしょう。対話では、想定外の出来事がたくさん起こります。同じ組織に属しても、生い立ちや価値観の違いなどにより、見えている世界はバラバラなので同じ事柄を経験しても、そこで感じる気持ちはさまざまです。だからこそ対話では、お互いの本音に到達するためのリスニングのマインドが大切なのです。

私はセミナーなどで組合役員の方々にリスニング(傾聴)やアサーション(自己主張)の方法をお伝えすることでみなさまの対話活動のご支援をしております。対話を通じて、より良い関係性、より良い仕事、より良い人生をともに目指していければ幸いです。

中村 絵梨佳j.union株式会社 経営企画グループ

公認ヘルスカウンセラー

組合活動を通じて、みんながありのまま自分らしくいれる状態をつくりたい

« 前回の記事 次回の記事 »