j.union株式会社

労働組合の活動を
総合的に支援します。

2022.04.10
「自己変容」を促す人材開発手法(事例)

弊社では、労働組合からご用命いただき活動の支援をすることが99%ですが、まれにボトムアップ型の支援の相談を企業側からいただくことが1%程度あります。

今回は、その企業側の取り組みをご紹介し、有効な方法を探ってみたいと思います。組合内で人材育成を行っている方や、組織の活動をされている方、ぜひ参考にしてください。

◆労働組合専門だからこそ

ボトムアップ型で組織風土改革を行なっている組合専門の弊社の経験から企業の風土改革のお仕事をさせていただいたご縁があるのですが、その企業がとある企業に買収され、当時の担当者様が親会社への配属となったことでご相談がきました。

「うちの部門の係長をマネージャーとして育てたい」との依頼でしたが、ミッションは課長試験に受かることと試験だけではなく、マネージャーとしての実力を上げることの2点でした。

この取り組みの基本フローは、下記のような進め方を基礎としています。

①基本フロー
振り返り+研修を月1回受ける→上司部下で面談→実践→上司がレビュー→翌月の研修
※このフローを約8ヶ月回します。

②成功のポイント
上記のフローを機械的に回すだけでは、人材育成は進めみませんでした。研修後に上司と部下で対話する時間を持つことや、部下からも上司とコミュニケーションをとってアドバイスを求め、お互いが良い協働関係を作ることが大事だということを、組織で合意しながら、スタートしました。

◆研修のインプットだけでは、人材開発は進まない

今年で4年目を迎えますが、大きな変化を迎えることになりました。
それは、メンバーが自己変容し、上司がメンバーの成長を実感するように変化したことでした。
4年間の変遷で変えていったことがあります。

①研修後以外の場で、上司たちが集めて、今回の取り組みを有効にするためのMTを開いたこと
→部門の部長が音頭を取って、対象者の上司に対してビジョンを示してくれました。
 これによって、対象者の上司が今まで以上に部下の育成について使命感を感じることに繋がりました。

 

②研修だけではなく、リフレクションによって自分やメンバーからも学ぶこと
→今までの「実践内容を共有し、次回の課題を考える」振り返りから、「経験を学びに変える」リフレクションに内容を変えたことで、お互いに学び合う関係性になっていきました。

 

③メンバーの価値観や強みをメタ認知できるようにすること
→対象メンバーの価値観とマネジメントの考えに沿って、設問を作り、対象者の部下にアンケートを取りました。アンケートでは、メンバーのマネジメントの考えと実態との乖離を知ることができ、自身の考えていたことが思っていたよりも部下には伝わっていなかったことや、一方で思った以上に理解してくれていたことなど、自身の思い込みや考え違いを客観的に知ることができました。

◆(結論)人材育成では、「教わる/教える」ではなく、「学び合う」ことがポイント

人材育成で一番効果を発揮したことは、毎月のリフレクションでした。
リフレクションの問いでは、マネジメントに必要な項目を設定し自ら採点していきます。採点したことから、なぜこの点数だったのか、自身の「関心」や「強み」と重ねながら自己認識していきます。

そして、その内容をメンバーに共有し、メンバー同士で何が大切なのか?を議論します。

リフレクションの最後には、自身の考えるマネジメントの軸を考え更新を行なっていきます。この取組みの最終日にはマネジメントの軸を整理し、「関心」「強み」「能力」「成果・周りからの期待」を軸として、自分「軸」の策定ワークショップを行ないます。

メンバーと上司が今回の取り組みでは、参加前と参加後では見違えるほどに成長を実感されたというお声をいただきましたが、自己変容に至るには、ポイントがいくつかあると考えています。

1つ目は、メンバーは競争相手ではなく共に学び合う仲間という関係になれたこと。

2つ目は、安心安全な場づくり・価値観を大切にしたことで、本来メンバーのもつ人間性が芽生え、本音で目的に向かった議論ができたこと。

3つ目は、メンバーの上司が部下の話しを聞き、活躍できる場をアサインしてくれたこと、上司も部下からたくさん学んだとの声もいただきました。

この3つのポイントは、どれかが欠けてもメンバーの変化の質は揺らいでいたと感じます。

今回の事例は企業からの依頼の話しですが、いかがでしたでしょうか?

私は、今回のプロセスは「企業だからできたこと」とは言い切れないと思っています。
目的は役職を上げるということではなく、労働組合の活動の目的に置き換えることもできます。

例えば、目的をビジョンの浸透や、職場の改善、役員の育成に変えることで、むしろ労働組合だからこそ、メンバーを仲間として捉えて活動を行なっていますし、安全安心な場を重要視し活動を行ない、上司部下との関係を大切するということでは、労働組合の強みとして取り組みができるのではないでしょうか?

もっとくわしくお聞きしたい方がいらしたら、ぜひお気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。

横田 直也j.union株式会社 経営企画本部

最近はマンガ「キングダム」にドハマりしております。
好きな言葉は、孫子の兵法から…「将とは智・信・仁・勇・巌なり」

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