j.union株式会社

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2022.05.29
これからの労使関係の在り方をどう進化させるか ~労使協働の組織風土改革事例~

◆これからの組織風土改革に欠かせない労働組合の存在

従来からの企業における組織風土改革は、企業内に内包していた課題を、経営層がトップダウンで行う方法が一般的でした。
しかし、環境変化に伴い、自社の問題意識を起点としてアイデアや発想を市場に近い現場から取り入れる動きがでてきました。
今まで時間をかけて根付いた考え方や価値観、行動規範である組織風土の改革には、トップとボトムである労働組合が連携した労使全体での取り組みが欠かせません。

◆労使による風土改革事例の紹介

組合員数20,000人、製造業の労働組合では、取り巻く環境変化と社会ニーズに対応するものづくりを進めていくために、経営トップが組織風土改革の必要性を訴えました。

しかしながら、今までのマネジメント層、人事による風土改革には限界があると感じ、ボトムの本音の声とアイデアが必要だと捉えていました。風土改革では、職場の上司・部下の本音の対話を通じた業務改善や働き方の改善が必須となります。そこで経営トップは日頃から現場で本音の意見交換を行っている労働組合の職場代議員の姿を思い出し、「労働組合が行っている対話活動や職場会での意見やアイデアを聞かせて欲しい」「職場会の開催をしっかり進めて欲しい」「職場会の開催を阻害する要因があれば報告して欲しい」と労組委員長への相談があったそうです。
労組としても従来からの労使協調の考えと更なる現場の活性化に繋がるものであるため、一層、力を入れて協力するする返答を行いました。

また、経営から労組による職場会や組合員との対話は経営が進める組織風土にとっても重要な活動であると捉え、職場代議員、職場委員によるこの取り組みを評価したい意向が示され、一部の職場では労組組合の執行部と代議員が運用している目標シート(チャレンジシート)に記載されている職場組合員との対話活動や職場の問題を話し合い解決策を考える職場会の内容を、会社が運用している目標シートにも記載し会社の評価にも反映したいとの意向も示されました。
このように経営と労組の両輪による本気の風土改革が展開されています。

◆組合活動が会社から評価されることは是か非か

しかしながら、この取り組みに対して、一部否定的な声も上がったと聞きます。
「本来、職場の風土改革や改善活動は管理職がすることではないか」
「職場の労組役員による風土改革の取り組みが業務化することでマネジメントの業務改革意識が低下するのではないか」
「管理職が日頃行う部下へのマネジメントの一部が労組役員へ移管されるのではないか」
「そもそも労働組合の活動は業務ではなく労組による主体的な取り組みではないか」
などの声が上げられました。

これらの声に対して思うのは、職場での組合活動が会社の目標シートの一部になることに関していえば、被考課者である労組役員が組織目標を達成するために自分の置かれた強みを活かして貢献することに違和感は感じません。
労働組合の立場においても、自分たちの職場を自分で変革し組織目標に貢献することは自分たちの働きやすい職場を形成することに繋がり、このアプローチが、労組法第2条にもある「労働条件の維持改善、その他経済的地位向上を図る」へも繋がるものだと言えます。

この事例を通じて、過去の労使関係のあり方に拘るのではではなく、変化する社会環境の中で労使の目指す姿を実現するために労使関係の在り方そのものを捉える視点を進化させることが必要な時期に来ていると感じます。

吉川 政信j.union株式会社 常務取締役

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