j.union株式会社

労働組合の活動を
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2023.03.05
答えより「問い」を考えよう

年間で50回前後、労働組合様より研修会やワークセッションの進行を任されています。

研修講師を始めたばかりの頃は、「○○○を教えてほしい」というご要望を受け、「いかに抜け漏れなく、限られた時間内で多くの内容を伝えられるか」の観点で話を進めがちでした。

研修会ですから、一定のインプットは必要です。
しかし、研修講師を始めてから1年ほど経ったころ、
「講師が話したことが、唯一の答えだと思っていないだろうか」
「受講者の広い視野や柔らかな思考を、硬直的にしまってはいないだろうか」
と考え始めました。

そこで、解説オンリーではなく、できる限り「問いかけ」を挟み込んでみると、自分では思いつかない回答やアイデアが多く出され、問いを立てる重要性を痛感したのでした。

答えを聞く前に「問いかけ」に対して頭を巡らすことで、
 ・研修講師とは違う観点で物事を考えられる
 ・自身の強みや体験や個性を活かしたアイデアが浮かぶ
 ・過去や現在の延長線上ではない発想の転換ができる
といった効果があると考えています。

今では「問いかけ」ばかりの研修カリキュラムをやるケースが多く、「どんな順番で問いを立てるか」「答えをどのように共有するか」......といった別の難しさに悩む日々です。

最近は、問いを入力すれば、瞬時になめらかな文章で答えてくれるAIが世界を驚かせています。
もっと精度が改善されれば、森羅万象に対するあらゆる疑問への答えが、短時間で見つかるツールに進化することでしょう。

このことは、「答えを見つける」より「問いを立てる」ことが重要となる未来を示唆しています。
「質問力」だけではなく、そのベースとなる「課題を定義する力」「問題を発見する力」を磨き、結果的に(私を含めた)皆が「問題を解決する力」を高められればと思います。

荏本 太郎j.union株式会社 大阪オフィス

わかりやすい表現と伝え方を通じて、
相手の「やる気」を「情熱」に変えるべく奮闘中。

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