journal_vol.303
11/12

昨今注目されている、「SDGs」や「循環型経済」などのキーワードをもとに、企業活動にも利益を追求するだけでなく「社会的課題の解決」が求められるようになってきた。それに呼応して、組合活動においても地域や社会に向けた取り組みをテーマとして掲げる組織が増えている。安居氏からは、環境への取り組みの一環として、企業が今までのように本業以外でCSR活動を行うのではなく、本業のビジネス活動自体を循環型のビジネスモデルへと転換する取り組みの視点・ヒントについてご講演いただいた。サーキュラーエコノミーとは、従来のリニアエコノミー(作る⇨使う⇨捨てる)、3Rエコノミー(一般的なリサイクルなど)とは異なり、廃棄物を出すことを前提とせず、資源を循環させる経済の仕組みである。例えば、廃棄されてしまう食品を活用して一流シェフの料理が安価で食べられるレストラン事業を展開する企業や、EUでは消費者の権利として〈修理する権利〉を制定することで修理しながら使い続けることができるサステナブル製品が流通しやすい環境をつくるなど、世界に先駆けてサステナブルな社会づくりに取り組む地域での事例を共有していただいた。安居氏が挙げられた「本業と異なる植林活動をCSRの一環として行ってきた企業が多くあったが、今はそうではなく、本業のビジネスで利用者に使ったものを企業に戻してもらうことで、そもそも廃棄するという概念すら無くすような、【循環型のビジネスモデルをつくる】というところにシフトしている」という事例に対して、参加者から「企業としてこのような【循環型のビジネスモデル】に取り組むことが必要であり、まさに会社組織としても関心度の高いテーマだった」というご意見をいただいた。小山氏からは、地域にある資源を活かした生活について、相模原市にある藤野のまちを例に情報を共有していただいた。トランジションタウンという外部に依存することなく、地域にある資源を活かした生活を進める小山氏の講演は、まさに「トランジション(移り変わり)」であろう令和時代の労働組合として、高い親和性を感じた方もいらっしゃるのではないだろうか。藤野のトランジションタウンでは、〈脱依存〉し、〈相互依存〉していこうという動きとして、地域にある資源を活かした「地域通貨」や、地域住民自ら必要な資源をつくり出す「藤野電力」の取り組みを行っており、その事例を小山氏から共有していただいた。今こそ地域とのコミュニティづくりの視点にあった【楽しみながら参画してもらえるような】組織内での活動や、企業内労働組合として労使で取り組むべきSDGsや環境問題、また地域コミュニティへの貢献活動を改めて考えていこう、という気運の高まる企画となった。11Circular Initiatives&Partners代表『サーキュラーエコノミー実践』著者 サーキュラーエコノミーの実践と理論の普及が高く評価され、「青年版国民栄誉賞」にてグランプリを受賞した安居昭博氏と、地域コミュニティで持続可能な暮らしを実践する市民活動を行う、NPO法人トランジション・ジャパン共同代表・理事の小山宮佳江氏にご講演いただきました。NPO法人トランジション・ジャパン共同代表・理事j.nin journa特別講演レポート②安居 昭博氏小山 宮佳江氏よりよい社会の実現」にむけた取り組みよりよい社会の実現」「分断からつながりを通じた「分断からつながりを通じた組合活動から仕掛ける

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る