「平成版」前提の整理と意義意義機能機能まず創業者の西尾が労働組合の意義と機能としてどのようなことを語ってきたかという点を整理します。西尾の説を一言で簡単にまとめると、「昭和」の労働運動を「労使間の対立」のうちに存立するものと位置付けた上で、「平成」は「労使間の協調」という立ち位置を戦略的に取るべし、というものでした。経営者と従業員とを「頭」と「手足」かのように全く別の性質の存在であると定義付け、「言われたとおりにやったのだから、その分の頑張りに報いろ」と迫るのではなく、経営陣と従業員は担っている役割が異なるにすぎず、企業の長期発展のために共に対等な立場で頭を使い、力を合わせていくことを理想としたのです。この説に共感・支持が集まったのは、その前提として、企業に所属していることが自分自身のアイデンティティとなり、企業の運命と自身の人生とを運命共同体のように重ね合わせるという精神性が、労使問わず多くの企業人にとって違和感のないものであったからということが言えると思います。社員 労働環境の急激な変化を前にして、今日の労働組合のリーダーはどのような労働組合の意義と機能を理想と位置付けて語れば、働く人々の共感を得ることができるのでしょうか。今回、そのような根源的な問いについて、現役労働組合役員を交えて対等な立場で議論する場を設けました。弊社がこれまで研修や書籍という形を通じて組合役員の方々に提唱してきた「労働組合の意義と機能」の論理を「平成版」と位置付け、その提唱者である創業者西尾に対し、従業員代表として竹内から問題提起を行っています。戦後からの労働運動の変遷を眺めてきた西尾と、平成の時代を生きてきた竹内のそれぞれの立場から「平成版」の射程の限界に言及し、「令和版」の構想を提起し合った、その内容をご報告します。4j.nin journa令和版竹内西尾労働組合の
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